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急性リンパ性白血病基本情報

診断

ALLの診断のための検査

ALL確定診断までの流れ

ALLの診断においては、問診で病歴や自覚症状を聞き取り、触診により診察を行います。血液検査で白血球、赤血球、血小板の数などの確認のほか、白血病に特有の細胞の有無を調べます。血液検査で異常が認められると、骨髄検査を行い確定診断となります。
その他にも、画像検査や中枢神経の検査などを行い、合併症の有無や臓器の異常、脳神経組織への浸潤などを確認します。

ALL確定診断までの流れ

ALL確定診断までの流れ

飛内賢正監修. 血液のがん. 東京: 講談社; 2015. p.51.より作成

骨髄検査の内容

骨髄検査では、骨に針を刺して骨髄液を採取し、白血病のタイプなどを詳しく調べます。 検査項目としては以下のものがあります。

骨髄芽球比率 正常≦5%、ALL≧25%、AML≧20%
ミエロペルオキシダーゼ染色の骨髄芽球比率 骨髄系の一部とリンパ系<3%、骨髄系≧3%
細胞表面マーカー フローサイトメトリーによる測定で、B細胞系かT細胞系のALLか確認
染色体・遺伝子検査 染色体・遺伝子の異常の有無を確認

骨髄検査の実際

採取前に麻酔をして行いますが、瞬時に吸入採取するため、引っ張られるような強い痛みを生じます。
針を刺す位置は、腸骨が推奨されています(他に胸骨や、乳児の場合には前脛骨部が推奨されます)。

骨髄検査の実際

飛内賢正監修. 血液のがん. 東京: 講談社; 2015. p.51.より作成
医療情報科学研究所編. 病気がみえる vol.5 血液. 第2版. 東京: メディックメディア; 2008. p.17,18,20-21,108-110,132.より作成

ALLにおける染色体異常:「フィラデルフィア染色体」について

ALLを引き起こす染色体異常の1つとして、フィラデルフィア(Ph)染色体が知られています。
Ph染色体は9番染色体と22番染色体が融合した染色体異常であり、骨髄検査により検出されます。成人ALLの25~40%にPh染色体がみられます。
これまで、Ph陽性ALLは予後不良な疾患でしたが、近年ではチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)が登場し、治療に用いられています。

Ph染色体の構造とALL発症

Ph染色体の構造とALL発症

薄井紀子編. 急性リンパ性白血病(ALL)の基礎と臨床. 大阪: 医薬ジャーナル社; 2016. p.136-137.
飛内賢正監修. 血液のがん. 東京: 講談社; 2015. p.56-57.より作成

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