急性リンパ性白血病基本情報
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治療
副作用と支持療法
支持療法とは
抗がん剤治療中に起こるさまざまな副作用を軽減するための治療を支持療法といいます。
抗がん剤治療ごとに起こりやすい症状や時期を予想し、それぞれに応じた支持療法を行います。
抗がん剤治療による主な副作用
主な支持療法
吐き気・嘔吐 |
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発熱 |
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脱毛 |
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下剤 |
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感染症 |
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抗がん剤治療による主な副作用と対応
症状・副作用 | 対応 |
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感染症 (骨髄抑制による) |
人混みに出ることを避け、外出する場合にはマスクを着用し、手洗い、うがいを励行する。 切り傷など、けがをしないように注意する。 |
発熱 | まず感染症を想定し、抗菌薬を使用して直ちに対応する。 |
出血傾向 (骨髄抑制による) |
転倒やけが、打撲に注意する。 歯ブラシは毛のやわらかいものを利用し、歯ぐきを傷つけないようにする。 出血したときには、出血した場所をタオルなどで圧迫して止血する。 血小板が著しく減っているときには、脳出血や消化管出血を起こしやすくなるため、入院して血小板の輸血をしなければならない場合もある。 |
貧血・だるさ・疲労感 (骨髄抑制による) |
少しの活動でも疲れたり、息切れがしたりする場合には休息を取る。 貧血の程度によっては、輸血を必要とする場合がある。 |
脱毛 | どの薬剤も大なり小なり脱毛を起こし、防止は困難。 帽子やウィッグ、バンダナなどを使うとよい。 化学療法後1~3ヵ月で再生が始まり、3~6ヵ月で元に戻ることをあらかじめ患者さんに説明しておくことが重要である。 |
吐き気・嘔吐 | 制吐剤を服用。吐き気を感じたら、冷たい水などでうがいをする。 場合によっては水分や栄養補給のために点滴治療を行う。 |
下痢 | 医師に相談し、下痢止めの薬を使う。 刺激物の摂取は控え、脱水予防にイオン飲料などで水分補給をする。 |
皮膚の発疹やかゆみ・血圧の低下・不整脈・呼吸困難 (アレルギー反応による) |
アレルギー症状があらわれたら、医師や看護師に直ちに知らせる。 |
乏尿・胃腸症状・無力状態・頭痛・意識障害・痙攣・呼吸困難 (腫瘍崩壊症候群による) |
予防として十分量の補液と高尿酸血症治療薬の投与を行う。 尿をアルカリ性に保つ。 尿が出ない場合は透析を検討する。 |
出血症状あるいは虚血性の多臓器不全症 (播種性血管内凝固による) |
臨床症状のみからは診断が不可能で、血液凝固線溶系の諸検査が必須。 抗凝固療法および補充療法を行う。 |
消化管潰瘍 | 粘膜保護薬と、H2受容体拮抗薬やプロトンポンプ阻害薬を予防投与する。 H2受容体拮抗薬は、骨髄抑制を生じることがあるので注意する。 |
呼吸困難・咳・痰 | 呼吸がしづらい場合には医師や看護師に相談する。 原因によって酸素吸入、胸腔穿刺ドレナージ、薬剤による治療などを行う。 |
リンパ浮腫 | むくみに気付いたら医師に相談する。 |
肝炎・肝機能障害 | 原因薬の中止が原則である。 |
口内炎 | 予防のため、抗がん剤治療前から、虫歯や歯周病も治療しておく。 こまめにうがいをする。やわらかい歯ブラシを使う。食事は刺激物を避ける。 炎症を抑えるうがい薬、塗り薬や痛み止めを使う。 |
末梢神経障害(手足のしびれ) | 手足の感覚が鈍くなったり、しびれを自覚したりした場合には担当医に相談する。 マッサージや手指の運動で効果があることもある。 |
不妊 | 男性:化学療法開始前に精子の凍結保存を行う。 女性(配偶者あり):卵子を採取し受精卵として凍結保存する。 女性(配偶者なし):未授精の状態で卵子を凍結保存する。 |
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