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急性リンパ性白血病基本情報

疾患(急性リンパ性白血病とは)

疫学

白血病の分類

白血病は、白血病細胞の増殖スピードの違いにより、急性白血病と慢性白血病の大きく2種に区分されます。さらに血液細胞の成熟過程のどの段階でがん化したかによって、骨髄性かリンパ性かに分けられます。

白血病の分類

急性白血病

急性骨髄性白血病
(AML: Acute Myeloid Leukemia)
  • 急速に病状が進行し、症状も強くあらわれる。
  • 白血病全体の約4割を占め、患者数が最も多い。
  • 小児には少ない。
急性リンパ性白血病
(ALL: Acute Lymphoblastic Leukemia)
  • 急性骨髄性に次いで多い。
  • 特に小児に多い。
  • 成人では年齢が高まるとともに発症率が上がる。

慢性白血病

慢性骨髄性白血病
(CML: Chronic Myeloid Leukemia)
  • 初期には症状のあらわれ方が穏やかで、進行も比較的ゆっくり。
  • 高齢になるほど発症率が高くなる。
  • 小児の発症はかなり少ない。
慢性リンパ性白血病
(CLL: Chronic Lymphocytic Leukemia)
  • 欧米では多いが、日本では稀。
  • 白血病全体では2~3%。
  • 初期に症状がないときは治療をせず、経過を観察することが多い。

飛内賢正監修. 血液のがん. 東京: 講談社; 2015. p.17.より作成
薄井紀子編. 急性リンパ性白血病(ALL)の基礎と臨床. 大阪: 医薬ジャーナル社; 2016. 序.より作成

日本人のALLの発生率

白血病は、主な血液がんの1つであり、その中でもALL罹患者は2割を占めています1)

白血病患者数の内訳1)

白血病患者数の内訳

1) e-Stat政府統計の総合窓口. 平成29年患者調査 閲覧 年次 96 [閲覧日: 2019年4月16日]:
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00450022&tstat=000001031167&cycle=7amp;tclass1=000001077497amp;tclass2=000001077500amp;second2=1より作成

小児白血病は国内では年間約700~750例が発症し、このうちALLが約500例、AMLが約200例です。成人に多いCMLの発症は小児では年間20例程度、CLLは小児には認められていません2)

2) 木崎昌弘編著:メディカルスタッフのための白血病診療ハンドブック chapter 10 小児白血病治療の実際と看護のポイント p247, 中外医学社, 2017

ALLの発症年齢と性差

国内におけるALLの割合は小児に多く、6歳未満での発症が全体の3/4を占めます3)。成人では年齢が高まると発症率が上がります。また、やや男性に多い傾向にあります(男女比 1.2:1) 3)
なお、国内における発症率は10万人あたり年間1人程度です3)

【参考】米国における人口10万人あたりのALL発症例数4)

【参考】米国における人口10万人あたりのALL発症例数

3) 直江知樹編. インフォームドコンセントのための図説シリーズ 白血病/骨髄異形成症候群. 大阪: 医療ジャーナル社; 2013. p.11.
薄井紀子編. 急性リンパ性白血病(ALL)の基礎と臨床. 大阪: 医薬ジャーナル社; 2016. 序.
4) SEER Cancer Statistics Review 1975-2015. National Cancer Institute. Table 13.12. Lymphocytic Leukemia.
[閲覧日: 2021年2月2日]: https://seer.cancer.gov/csr/1975_2015/results_merged/sect_13_leukemia.pdfより作成

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こちらのページでは、疾患(急性リンパ性白血病とは)疫学をお届けいたします。

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