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ガイドライン
造血細胞移植ガイドライン
「造血細胞移植ガイドライン 急性リンパ性白血病(成人)」について
成人ALLに対する造血幹細胞移植についてガイドラインが策定され、2020年9月には、近年の治療の進歩を踏まえ、第3版に改訂されました。
第3版は、同種造血幹細胞移植に対してPh陰性ALLとPh陽性ALLに分け、詳細に検討した包括的ガイドラインとなっています。
日本造血細胞移植学会 造血細胞移植ガイドライン 急性リンパ性白血病(成人)(第3版), p1, 2020
Ph陰性ALLに対する造血幹細胞移植
16歳から65歳までの患者を対象としますが、年齢のみを基準として移植適応を決定することは推奨されていません。
移植の適応とその推奨レベルは以下の通りです。第一寛解期の高リスク、第二以降の寛解期がいずれも移植適応として推奨されています。
同種移植 | 自家移植 | ||||
---|---|---|---|---|---|
HLA適合同胞 | HLA適合非血縁 | 臍帯血 | |||
第一寛解期 | 標準リスク | GNR/CO | GNR/CO | GNR/CO | GNR |
リスク不明 | CO | CO | CO | GNR | |
高リスク | S | S | S | GNR | |
第二以降の寛解期 | S | S | S | GNR | |
再発進行期/ 寛解導入不応期 |
CO | CO | CO | GNR |
B-ALL、T-ALLとも以下の基準でリスクを分類する
- 高リスク:
- KMT2A(MLL)再構成、低2倍体(hypodiploidy)(染色体本数44本以下)、複雑核型(反復性遺伝子異常を認めず、染色体本数40-50、かつ、5つ以上の異常を持つ)、BCR-ABL1-like、初回寛解導入法で完全寛解(CR、CRi)導入不応例、寛解導入療法後(End Of Induction: EOI)のMRD陽性、のいずれかの予後不良因子を持つ
- 標準リスク:
- 高リスクの予後不良因子を持たない(EOI MRD陰性を含む)
- リスク不明:
- 染色体検査 不明、EOI MRD不明 など
- S:
- standard of care 移植が標準治療である(合併症、QOLなどの不利益についても検討した上で総合的に決定すべきである)
- CO:
- clinical option 移植を考慮してもよい
- Dev:
- developmental 開発中であり、臨床試験として実施することがのぞましい
- GNR:
- generally not recommend 一般的には勧められない
日本造血細胞移植学会 造血細胞移植ガイドライン 急性リンパ性白血病(成人)(第3版), p3, 2020
Ph陽性ALLに対する造血幹細胞移植
重篤な臓器障害や活動性の感染症のない患者さんを対象としています。
移植の適応とその推奨レベルは以下の通りです。第一寛解期、第二以降の寛解期ともに移植適応として推奨されています。
同種移植 | 自家移植 | |||
---|---|---|---|---|
HLA適合同胞 | HLA適合非血縁 | 臍帯血 | ||
第一寛解期 | S | S | S | Dev/GNR |
第二以降の寛解期 | S | S | S | GNR |
再発進行期/ 寛解導入不応期 |
CO | CO | CO | GNR |
- S:
- standard of care 移植が標準治療である(合併症、QOLなどの不利益についても検討した上で総合的に決定すべきである)
- CO:
- clinical option 移植を考慮してもよい
- Dev:
- developmental 開発中であり、臨床試験として実施することがのぞましい
- GNR:
- generally not recommend 一般的には勧められない
日本造血細胞移植学会 造血細胞移植ガイドライン 急性リンパ性白血病(成人)(第3版), p20, 2020
『ビーリンサイト.jp』はアムジェンが運営する医療関係者向け情報サイトです。 こちらのページでは、造血細胞移植ガイドラインをお届けいたします。